消化器内科

消化器内科について

消化器内科について消化器内科では、消化管(食道・胃・十二指腸・小腸・大腸)と、消化を助ける胆のう・膵臓・肝臓など、消化器を総合的に診療しています。消化器疾患では、飲み込む際の違和感、胸やけ、吐き気・嘔吐、みぞおち・胃の不快感・痛み、腹痛、下痢・便秘・血便などの症状を起こすことが多く、発熱・体重減少・貧血などをともなうこともあります。消化器疾患は同じ症状を起こすものが多く、早急な治療が必要な疾患でもかなり進行するまで軽い症状しか起こさないケースがあります。こうしたことから、消化器症状が続く場合には消化器内科を受診して原因をしっかり確かめることが重要です。

消化器内科

下記のような症状がある場合には、消化器内科の受診をおすすめします。

また、健康診断や人間ドック、検診などで便潜血陽性、ピロリ菌感染陽性、肝機能異常を指摘された場合は、症状の有無に関わらず早めに受診してください。

主な消化器疾患

消化管(食道・胃・十二指腸・小腸・大腸)の疾患

食道

逆流性食道炎

逆流性食道炎胃の内容物が食道に逆流して、胃酸などによって食道粘膜が炎症を起こしている状態です。食道と胃の間にあって逆流を防ぐ仕組みが加齢などによってうまく働かなくなって発症します。肥満や強い腹圧、脂肪の多い食事、喫煙や飲酒なども発症に関わっています。近年、幅広い世代で発症が増加傾向にあります。主な症状は、胸やけ、呑酸(酸っぱいものが上がってくる)、長引く咳などがあります。再発を繰り返しやすいため、消化器内科で再発予防も視野に入れた治療を受けるようにしてください。

食道裂孔ヘルニア

食道裂孔は、胸部と腹部を分けている横隔膜にある穴で、そこを食道が通って腹部にある胃につながっています。食道裂孔ヘルニアは、胃の上部が食道裂孔の上にはみ出してしまっている状態です。特に症状がなければ問題はありませんが、逆流性食道炎を発症しやすい傾向があります。食道裂孔ヘルニアは、肥満、気管支炎や喘息で咳が多い、腹部の締めつけなど腹圧の上昇によって発症しやすくなるとされています。

食道アカラシア

食道と胃の境目が強く収縮して弛緩しにくいため、飲み込んだ飲食物がなかなか胃に入っていかない状態です。食道の中に食べ物がとどまる時間が長くなり、つかえや嘔吐などを起こします。食道の機能異常によって起こると考えられていますが、はっきりとした原因はわかっていません。内科的な治療で効果がない場合には、内視鏡による治療を行います。

食道がん

食道がん飲み込みにくさやしみる感じがするといった程度で自覚症状に乏しく、食道粘膜は薄いため転移を起こしやすいことから、予後が良くないがんとされていますが、内視鏡検査で早期発見が可能です。逆流性食道炎で炎症を繰り返したり、飲酒や喫煙の習慣があると発症しやすいとされているため、リスクが高い場合には定期的な内視鏡検査をおすすめしています。

食道乳頭腫

食道粘膜にできる白色の隆起性病変で、症状がほとんどないため、内視鏡検査時に偶然発見されることがほとんどです。良性ですので、特に治療の必要はありません。

食道アカントーシス

食道乳頭腫よりやや小さい楕円形の隆起が散らばるようにできます。症状はなく、内視鏡検査で偶然発見されることがほとんどを占めます。約1割程度の方に見られるよくある病変ですが、治療は必要なく定期的な経過観察で十分です。

食道バレット上皮(バレット食道)

胃に近い食道粘膜が胃粘膜のように変化してしまっている状態です。逆流性食道炎で炎症が長期間続くと発症しやすいとされていて、食道がんの発症リスクが高い状態ですから、定期的な経過観察が不可欠です。

食道カンジダ(カンジダ性食道炎)

真菌(カビ)の1種であるカンジダは体内に存在する常在菌ですが、免疫力が低下すると食道に感染することが知られています。ステロイドや抗生物質、胃酸抑制薬などの薬剤も誘因となります。一方、病気がなくリスクとなる薬剤内服のないお元気な方でも認めることがあります。胃カメラで観察すると白い苔がついているように見えます。1%の方にみられる頻度の高い病態です。自然に治ることも多いのですが、一面に広がってしまったり、粘膜がただれたりした場合には治療が必要です。

好酸球性食道炎(アレルギー性食道炎)

好酸球は白血球の1種で、その好酸球が食道に浸潤して炎症を起こして食道の運動障害や中が狭くなる状況を引き起こします。です。典型症状はつかえ感,嚥下障害,嘔吐です。50歳代を中心に幅広い世代で発症し、胃酸抑制薬で改善することも多いですが、症状が重い場合にはステロイドによる治療を行います。

急性胃炎

急性胃炎アルコール、ストレス、アレルギー、薬剤などによって胃粘膜の炎症が急激に起こっている状態です。自然に治ることもありますが、早期に症状を改善させるためには受診して治療を受けることをおすすめします。

慢性胃炎

長期間、胃炎が続いている状態で、主な原因にはピロリ菌感染、非ステロイド性消炎鎮痛剤(ロキソニン等)の長期間服用、アルコール摂取、ストレスなどがあります。症状は、胸やけ、胃もたれ、胃痛などです。症状自体は胃酸抑制薬、胃粘膜保護薬などで改善しますが、再発を繰り返しやすいため根本的な原因を解消する治療が必要です。ピロリ菌感染陽性の場合には、除菌治療が有効です。

胃潰瘍

胃の炎症を繰り返して、胃粘膜が深く傷付いて欠損している状態です。みぞおちの痛みやゲップを繰り返すといった症状が現れ、進行すると強い胃痛や出血による黒いタール便、貧血などを起こすこともあります。主な原因は、慢性胃炎と同様にピロリ菌感染、非ステロイド性消炎鎮痛剤(ロキソニン等)の長期間服用、血をサラサラにする薬剤(バイアスピリン・クロピトグレル・ワルファリン等)などであり、症状を改善する治療や根本的な原因を解消する治療に関しても同様です。

胃びらん(びらん性胃炎)

胃粘膜が浅く傷付いている状態で、症状がない場合には特に治療の必要はありません。症状がある場合には、症状の内容に合わせて胃酸抑制薬、胃粘膜保護薬などによる治療を行います。

萎縮性胃炎

慢性胃炎が進行して胃粘膜が萎縮してしまっている状態で、主な原因はピロリ菌感染による長期間続く胃の炎症です。特に症状がないまま萎縮性胃炎にまで進行している場合もあります。ピロリ菌を除菌することで胃がんのリスクは3分の1に軽減することがわかっていますが、胃がんにならないわけではありません。早期発見と治療のためには定期的な胃カメラを受けることが重要です。

ピロリ菌感染症

強酸の中で生息できるピロリ菌は、多くは乳幼時期に感染して、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍などを起こすため、胃がん発症のリスクが上昇してしまいます。除菌治療に成功することでピロリ菌を除去できますし、炎症や潰瘍の再発を予防できます。

胃がん

胃がん日本人に多いがんですが、早期発見できれば内視鏡による治療で完治が可能です。自覚症状のない段階で早期発見する必要があるため、リスクが高い場合には定期的な内視鏡検査をおすすめしています。ピロリ菌感染陽性の場合、炎症を繰り返すため胃がん発症のリスクが高くなります。胃カメラではピロリ菌感染の有無を確かめることもできます。なお、ピロリ菌の除菌治療に成功した場合、再感染することはほとんどありません。

胃底腺ポリープ

ピロリ菌に感染していない健康な胃に発生しやすいポリープで悪性化することはほとんどありません。そのため、経過観察は必要ですが、特に治療は必要ありません。

過形成性ポリープ

ピロリ菌感染が発症に関与しているとされています。除菌治療に成功した場合、ポリープが小さくなる、または無くなることがあります。経過観察して、サイズが大きいもの、増大傾向があるもの、出血する可能性があるものに関しては内視鏡による切除を検討します。

機能性ディスペプシア(FD:Functional Dyspepsia)

胃痛・胃もたれなどの症状がありますが、血液検査や胃カメラで観察しても胃潰瘍や胃がんなど症状を説明できる異常が特定できない状態で疑われます。、胃の運動機能障害、知覚過敏、心理社会的要因などで起こります。機能などに問題があって症状を起こしている状態とされています。症状に合わせた薬の処方に加え、消化管の機能を改善する薬や生活習慣の改善などによって症状の緩和に導きます。

アニサキス症

イカ、サケ、サバ、サンマ、イワシなど身近な魚介類の寄生虫で、生や加熱が不十分な状態で食べると感染します。みぞおちや胃の激しい痛み、嘔吐などを起こしますが、人間を宿主にはできないため1週間程度で死滅します。内視鏡によって摘出することで症状は速やかに解消しますので、疑わしい症状がある場合には食事をせずに受診してください。

十二指腸

十二指腸炎

十二指腸炎

十二指腸粘膜が炎症を起こしている状態です。ピロリ菌感染、非ステロイド性消炎鎮痛剤(ロキソニン等)の長期間服用、アルコール摂取、ストレスなどが発症の原因とされています。症状がないこともありますが、症状を改善する治療だけでなく、原因にアプローチした治療を受けることで再発させないことが重要です。

十二指腸潰瘍

胃潰瘍と同様にピロリ菌感染が発症に関与することが多くなっています。十二指腸壁は胃壁に比べて薄いため、潰瘍によって穴が開く穿孔を起こしやすく、出血することもありますので、できるだけ早く受診して適切な治療を受けましょう。治療は胃潰瘍と同様であり、ピロリ菌感染陽性の場合には除菌治療の成功によって再発を防ぐことができます。

大腸

感染性腸炎・食中毒・急性胃腸炎

感染性腸炎・食中毒・急性胃腸炎ウイルスや細菌など病原体が感染して発症する胃腸炎であり、細菌が原因の場合には抗菌薬による治療が有効ですが、ウイルスが原因の場合には症状を緩和させる対症療法を行います。原因となる主な細菌はサルモネラ、カンピロバクター、病原性大腸菌(O157など)など、主なウイルスにはノロウイルス、ロタウイルスなどがあります。典型的な症状には下痢、嘔吐、発熱があり、市販の下痢止めを服用すると毒素の排出が妨げられて症状が重くなることがありますので、早めに受診することをおすすめします。また、嘔吐があって水分補給を十分にできないと脱水症状を起こしやすいので注意が必要です。

虫垂炎

一般的には「盲腸」と呼ばれることがありますが、実際には盲腸から下がった虫垂という細長い部分が炎症を起こしています。最初に胃の周辺に違和感があって、それが徐々に右下へ移動しながら痛みに変わっていくという経過をたどることが多くなってます。炎症が軽度の場合には抗生物質による内科的な治療で改善が見込めますが、炎症が強い場合には手術が必要です。

大腸ポリープ

大腸粘膜にできる良性の腫瘍ですが、大部分を占める腺腫は長期間経過するうちに一部ががん化することがあり、前がん病変と捉えられています。ほとんどの場合、自覚症状はありませんが、できた位置や大きさによっては便潜血検査陽性や血便などを起こすこともあります。症状がないものを含め、大腸内視鏡検査で発見が可能であり、発見した大腸ポリープは検査中にその場で切除する日帰り手術が可能です。腺腫の大腸ポリープの段階で切除することで将来の大腸がん予防につながります。

大腸がん

日本で患者数が増え続けているがんですが、進行がゆっくりで早期発見できればほとんどは完治が見込めるとされています。早期の大腸がんや将来がん化する可能性のある大腸ポリープの段階で発見するためには、定期的な大腸内視鏡検査が必要です。自覚症状なく進行し、転移してはじめて気付くケースも少なくありませんので、リスクが上昇しはじめる40歳を超えたら特に症状がなくても検査を受けるようにしましょう。便潜血検査陽性、または血縁者に大腸がんになった方がいる場合はそれより前の検査をおすすめしています。

亜腸閉塞・腸閉塞

腸の動きの低下や通過障害を起こしている状態で、状態や原因によっては手術が必要になる場合もあります。主な症状は腹痛や嘔吐、便秘、腹部膨満感などで、大腸がんや前がん病変の大腸ポリープが原因で生じていることもあります。他にも、薬の副作用や手術後の腸管癒着などによって起こることもあります。

大腸憩室

憩室は粘膜の小さなへこみで、腸管内の内圧上昇によって生じると考えられています。珍しいものではなく、特に治療も必要ありません。ただし、細菌感染による炎症や、出血を生じている場合には治療対象になります。

大腸憩室炎

大腸粘膜の憩室が細菌感染によって炎症を起こしています。ほとんどの場合には抗菌薬の投与で改善しますが、炎症が進行して腸に穴が開く穿孔を起こした場合には速やかな手術が必要です。

憩室出血

突然の下血を起こしますが、腹痛をともなうことはありません。血液をサラサラにする薬を内服していると発症しやすいとされています。絶食と安静で回復が見込める場合がほとんどですが、出血が続く場合や、何度も繰り返し発症する場合には手術が必要です。

虚血性腸炎

虚血性腸炎腹痛をともなう下血が主な症状です。大腸に酸素や栄養素を送っている血管が動脈硬化などによって狭窄や閉塞を起こして血流が悪化し、大腸粘膜の炎症や壊死を起こします。炎症などの範囲などによって腹痛や下血の程度も大きく変わります。ほとんどの場合は安静によって改善が見込めますが、炎症の状態によっては抗菌剤の処方などを行うこともあります。

いぼ痔(痔核)、切れ痔(裂肛)、痔ろう(あな痔)に分けられ、いぼ痔はさらに内痔核と外痔核に分けられます。それぞれ症状や必要な治療方法が異なり、中でも痔ろうは手術以外では治せないことが大きな特徴になっています。いぼ痔や切れ痔は生活習慣の改善や坐剤、内服薬などによる保存療法で治療が可能な場合が多いため早めの受診をおすすめしています。また、痔は再発しやすい病気ですから、便秘の根本的な治療を受けるなど再発予防も含めた治療が重要です。

潰瘍性大腸炎

慢性的な炎症性腸疾患で、主な症状は腹痛、下痢、血便です。根治治療がないため厚生労働省より医療費助成対象疾患の難病に指定されていますが、炎症自体を改善する効果的な治療が可能ですので、適切な治療を続けることで発症前とあまり変わらない生活を送ることも可能です。大腸内視鏡検査で特徴的な病変の有無を確かめ、組織を採取して生検を行うなどによって診断します。炎症を改善する5-アミノサリチル酸製剤による治療を中心に、免疫調整剤・抗体製剤、血球成分除去療法、手術などによる治療も行われています。

クローン病

慢性的な炎症性腸疾患で、厚生労働省より医療費助成対象疾患の難病に指定されています。主な症状は、腹痛、下痢、血便であり、潰瘍性大腸炎と似ていますが、クローン病では小腸以外の消化管全域にも炎症を生じることがあります。クローン病は栄養療法や食事制限が必要になることが多いなど潰瘍性大腸炎とは治療法が異なりますので、大腸内視鏡検査による潰瘍性大腸炎との鑑別が重要になってきます。

ベーチェット病

主な症状は、口腔内のアフタ性潰瘍、皮膚症状、眼のブドウ膜炎、外陰部潰瘍ですが、消化器に病変ができることも多く、腹痛や下痢、下血などを生じることがあります。医療費助成対象疾患の難病に指定されている病気であり、炎症の悪化や再発を抑える治療が不可欠です。治療ではステロイドや免疫調整剤などが使われます。

過敏性腸炎

過敏性腸炎激しい下痢を繰り返す下痢型、慢性的な便秘を起こす便秘型、便秘と下痢を繰り返す交互型などに分けられます。炎症などの病変はありませんが、機能などの問題によって症状を起こしていると考えられており、緊張がきっかけとなって症状を起こすことが多くなっています。近年、日本で増加傾向にあるとされていて、日本人の10~15%程度にみられると指摘されています。大腸内視鏡検査で病変がないことを確認した上で診断されます。症状に合わせた治療を受け、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の低下を防ぎましょう。

便秘

数日便が出ない状態だけでなく、いきんでもなかなか便が出ない、小さくてコロコロした硬い便しか出ない、排便後も残便感があってスッキリしないなども便秘に含まれます。便秘は、食事や運動、ストレスといった生活習慣や蠕動運動低下などによって起こる機能性便秘と、病気や薬物などによって起こる器質性便秘に分けられます。器質性便秘の原因疾患には、大腸がん、腸管癒着、子宮などの腫大、甲状腺疾患、糖尿病などがあり、また抗うつ剤などの薬剤による影響で器質性便秘を起こしていることもあります。早急な治療が必要な原因疾患の有無を確かめるためにも、消化器内科受診をおすすめします。また病気が隠れていない場合でも、便秘が続くことで大腸疾患や痔の発症リスクが上昇してしまいます。便秘でお悩みの場合には、お気軽にご相談ください。

肝臓・胆のう・胆管・膵臓の病気

肝臓

肝障害

肝障害健康診断などで受けた血液検査で、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの項目に異常値がある状態です。症状がない場合がほとんどを占めますが、深刻な肝疾患があって生じていることがありますので、異常を指摘されたらすぐに消化器内科を受診してください。腹部超音波検査、腹部CT検査などで詳細に調べて診断します。当院では院内でCT検査が可能であり、専門医による読影の結果を最短1時間でお伝えできます。

急性肝炎(ウイルス性、アルコール性、自己免疫性肝炎)
肝臓の機能障害が起こっている状態で、肝炎が持続すると肝硬変や肝臓がんの発症リスクが症状してしまうため、早期の受診と、原因に合わせた治療が必要です。ウイルス性は主にB型肝炎とC型肝炎ですが、まれにA型肝炎やE型肝炎の場合もあります。他に、アルコール性、自己免疫性肝炎があります。自覚症状がないことがほとんどを占めますので、肝障害、肝炎を指摘された場合には早めに消化器内科を受診してください。

脂肪肝

肝臓に脂肪がたまっている状態で、肝硬変や肝臓がんに進行する可能性があることがわかり、積極的な治療が行われるようになっています。また、脂肪肝は高血圧や脂質異常症といった動脈硬化を進行させる生活習慣病の発症や進行にも関与していると考えられています。肥満解消をはじめとした生活習慣の改善で比較的効果を得やすい傾向があります。

NASH(非アルコール性脂肪肝)

アルコール摂取は脂肪肝の大きなリスク要因とされていますが、アルコールを摂取しない(または少量のみ)方でも脂肪肝を発症することがあり、約10%に肝硬変や肝臓がんへの進行があるとされています。こうしたことから、食事指導・運動療法に加え、血液検査や腹部超音波検査などで定期的なチェックを受けることが必要です。

肝硬変

肝硬変慢性肝炎が長期間続くことで、肝臓が硬くなり、肝硬変になります。肝臓がんの発症リスクが高い状態です。また、肝硬変になると肝臓に流れるはずの血液が行き場を失って食道や胃に静脈瘤を生じさせ、それが破裂してしまうと大量出血し命に関わります。他にも、腹水がたまったり、アンモニアがたまることで意識レベルが低下する(肝性脳症)など、深刻な合併症を生じる可能性があるため、定期的な受診と検査が不可欠な状態です。

肝臓がん

日本では年間約3万人が肝臓がんで亡くなっているとされていて、男性に多い傾向があります。ほとんどの場合は、肝炎や肝硬変といった慢性的な肝臓疾患によって生じるため、こうしたリスクがある場合には消化器内科で定期的な検査を受けることが早期発見には不可欠です。特に肝臓は自覚症状なく進行することが多いため、注意が必要です。健康診断などで肝機能に異常を指摘されたら早めに消化器内科を受診してください。

胆道(胆のう・胆管)

胆石

胆石胆のう内にできた結石で、症状がなければ基本的には治療の必要はありません。ただし、胆のう炎を起こし、右上腹部やみぞおちの痛みが出た場合には、胆のう炎を起こしている可能性が高いですので、我慢せず、早めの受診をして下さい。食事指導や抗生物質などの治療で落ち着く場合もありますが、重症の場合は、緊急入院、手術が必要なこともあります。また、胆のうがんのリスクにもなりますのでので、症状がない方でも定期的な超音波検査をお勧めします。

総胆管結石

総胆管は胆汁の通り道で、胆石がここに移動してくると痛みや吐き気・黄疸などを起こします。また胆汁の流れが悪くなることで、腸内の細菌が胆管内で感染を起こし胆管炎になると、高熱が出てきます。寒気や震えが出るときもあります。。血液検査や腹部超音波検査、CT検査で結石の位置や全身状態を確認して診断し、総合病院で専門医による内視鏡を用いた結石除去治療が必要となります。当院では院内で迅速な血液検査、腹部超音波検査、CT検査が可能であり、的確に診断し、必要に応じて、近隣の提携する病院にご紹介いたします。

胆のう炎

胆石が胆嚢管という出口に移動し、はまり込むことで胆のうに炎症を起こします。血液検査や腹部超音波検査、CT検査などで診断は可能です。症状の程度によっては、入院治療や胆のう摘出手術が必要となります。

胆管炎

胆管に結石がはまり込んだり、胆管がんなどで、胆汁の流れが悪くなると、胆管内で腸内細菌感染を起こし胆管炎になります。。外来での通院治療による改善は期待しにくいですので、当院では診断の上、原因精査・治療目的に近隣の提携する病院にご紹介させて頂きます。治療は抗生剤や胆管ステント留置などです。

胆のう腺筋腫症

胆のう壁内の筋層が部分的に分厚くなっている状態ですが、ほとんどは良性で症状を起こすこともありません。腹部超音波検査を受けた際に偶然発見されることが多いのですが、定期的な経過観察で十分です。ただし、大きさや形状によっては、胆のうがんとの鑑別が必要になりますので、CT検査、超音波内視鏡検査(EUS)やMRI検査などが必要になってきます。

原発性硬化性胆管炎

原発性硬化性胆管炎胆管の壁が厚くなり、内腔の狭窄を来たし、胆汁の流れが悪くなることで肝硬変、肝不全となる進行性の病気です。男性に多く、20代と60代にピークをもつのが特徴で、患者数は1200人ほどと推定されています。若い方では、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎)、高齢者では膵炎の合併が多いです。膵炎の中には免疫が関与する自己免疫性膵炎に合併した胆管炎が含まれていることもあり、注意が必要です。

胆のうポリープ

良性のコレステロールポリープが多いのですが、将来がん化する可能性がある前がん病変の腺腫ということもあります。腹部超音波検査で、定期的に大きさや形の変化を追っていきながら、1cmを超える状況になれば、胆のう摘出術の検討をする必要性が出てきます。

胆のうがん・胆管がん

症状が現れにくく、胆のう壁が薄く、接している肝臓に浸潤しやすい傾向があることから予後の良くないがんの1つです。早期発見が特に重要ながんであり、胆石、胆のうポリープなどがあって発症リスクがある場合には特に定期的に消化器内科を受診して腹部超音波検査・CT検査などを受けることが重要です。また、胆管がんも早期発見が難しい病気の一つです。一般的には肝機能異常・黄疸や胆管炎症状(発熱・腹痛)などで発見されることが多いです。専門医による画像・内視鏡検査・治療が必要となりますので、提携する病院にご紹介させて頂きます。

体質性黄疸

黄疸は、皮膚や白目の部分が黄色くなる状態のことで、血液検査をするとビリルビンの値が上昇しています。体質性黄疸は先天的な要因によって生じ、栄養状態、風邪や疲労などで悪化することがあります。発症頻度は約50人に1人とされていて、多くは経過観察のみで対応でき、治療の必要はありません。

膵臓

膵炎

膵炎膵臓に炎症を起こしている状態で、急性膵炎、慢性膵炎、自己免疫性膵炎に分けられます。アルコール摂取や胆石、中性脂肪が高い状態など発症原因がわかるケースが多いですが、原因がわからない場合もあります。急性膵炎はいきなり激しい腹痛が起こり、入院による安静・絶食・大量輸液といった治療が必要です。多くの原因がアルコールを占めている慢性膵炎は、膵液の通り道(膵管)の狭窄、膵石などによって膵臓機能が低下し、慢性的な腹痛・下痢、糖尿病の原因となります。自己免疫性膵炎は自身の免疫力が自分の膵臓を攻撃する免疫疾患です。膵臓の一部や全体が腫大して膵管や胆管を狭窄させ黄疸を起こすこともあります。治療法はステロイドや免疫抑制剤になります。長期の治療期間になりますが、外来での治療ができますので、ご相談下さい。

膵がん

予後の良くないがんであり、早期発見が難しいことから膵がんによる死亡者数は上昇傾向にあります。糖尿病、膵のう胞(粘液の袋)がある方、喫煙者が3大リスク因子ですので、定期的な血液検査・腹部超音波検査・CT検査を受けることで早期発見が可能になります。

膵のう胞

膵臓やその周囲に、液体が塊状にたまっている状態です。ほとんどは無症状で問題がありませんが、悪性化するものや膵臓がんのリスクとなるため発見された場合には定期的な経過観察が必要です。急性膵炎や慢性膵炎などの炎症によって生じることもあります。

膵管内乳頭粘液性腫瘍(膵IPMN)

膵液の通り道である膵管に粘液をつくる良性の腫瘍で、膵のう胞の1種です。症状はなく、腹部超音波検査で偶然発見されることがあります。良性でも長期間経過する中で悪性に変化することや、膵臓がんのリスク因子ですので、定期的な経過観察が必要です。

腹部超音波検査(腹部エコー検査)について

内視鏡検査では確認できない腹部臓器の状態を調べるために有効な検査です。対象となるのは、肝臓・胆のう・膵臓・脾臓・腎臓・前立腺・膀胱などですが、腸管のむくみなどの確認にも使われます。
安全性が高く、痛みや不快感のない検査ですし、絶食や下剤服用などの前準備も必要なく、診療台でいつでも検査可能です。繰り返し検査できますし、リアルタイムの状態を確認できるため、消化器内科では欠かせない検査です。特に、胆石や胆のう炎、尿路結石、肝のう胞、膵のう胞などの発見や、肝臓・胆のう・膵臓の経過観察などに用いられています。

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