機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシアとは

機能性ディスペプシアとは機能性ディスペプシアは、胃の不快感、膨満感やみぞおちの痛みなどの症状があるにもかかわらず、内視鏡検査では胃の粘膜に明らかな異常が見つからない状態を指します。かつては、神経性胃炎やストレスによる胃炎、慢性胃炎と診断されることが多かった病気です。日本においては、約10人に1人がこの症状を抱えていると推測されています。

胃食道逆流症(GERD)・機能性ディスペプシアのセルフチェック

セルフチェック

画像:ゼリア新薬ホームページhttps://medical.zeria.co.jp/product/acofide/treatment/004.html)より

ディスペプシア症状の点数が多い場合は、機能性ディスペプシアの可能性があります。

胃食道逆流症(GERD)

胃酸や胃内容物が食道へ逆流し、食道粘膜に炎症を起こす病気です。主な症状は胸やけ、げっぷ、喉の違和感などで、食後や横になったときに悪化することが多いです。生活習慣の改善や薬物療法での治療が一般的です。

機能性ディスペプシアの原因

機能性ディスペプシアの原因には多くの要素があり、これらが相互に影響し合って症状を悪化させることがよくあります。

胃・十二指腸の運動機能の異常

胃に食べ物が滞留し、その先へ送られる機能に異常がある場合です。食べ物が送られるタイミングが早すぎたり遅すぎたりすることで症状が出ます。ストレス、過食、不規則な食生活、喫煙、アルコール摂取などがリスク要因となります。また、便秘傾向の方も原因になりやすいです。

胃・十二指腸の知覚過敏

わずかな刺激でも症状が出やすいケースです。健康な方では症状が出ないような刺激でも、胃や十二指腸に過敏に反応し、症状が現れることがあります。胃酸や脂肪に対する反応も含まれます。

ストレス・トラウマ

脳と腸は相互に影響し合っており(脳腸相関)、強いストレスが腸の機能を阻害することがあります。過去の虐待などのトラウマが原因となることもあります。

その他

ヘリコバクター・ピロリ菌感染や感染性胃腸炎、遺伝、喫煙習慣、アルコール摂取、不眠なども原因として挙げられます。

機能性ディスペプシアの検査・診断

機能性ディスペプシアは、内視鏡検査で粘膜に異常が見られないにもかかわらず、胃もたれ、早期満腹感、みぞおちの痛みなどの症状が現れる疾患です。具体的には、みぞおちの痛みや焼ける感じ、胃もたれ感、早期満腹感のうちいずれかの症状が慢性的に続き、胃カメラ検査、ピロリ菌検査、血液検査、エコー検査などで異常が見つからない場合に、機能性ディスペプシアと診断されます。

ピロリ菌と機能性ディスペプシア

かつては「慢性胃炎」とひとまとめにされていた症例も、現在は詳細に診断されるようになりました。代表的な疾患に、ピロリ菌感染性の慢性萎縮性胃炎と機能性ディスペプシアがあります。特にピロリ菌感染による萎縮性胃炎が続くと、胃の運動機能が低下しますが、除菌治療により改善する可能性があります。
正確な診断を受けることで、適切な治療が期待できます。慢性的な胃の症状でお困りの方は、まずは当院までご相談ください。

機能性ディスペプシアの治療

機能性ディスペプシアの治療では、薬物療法と生活習慣・食習慣の改善が重要です。

薬物療法

薬物療法症状の原因に応じて、胃酸の分泌を抑える薬(PCAB〈ボノプラザン〉、プロトンポンプインヒビター〈エソメプラゾールなど〉、H₂ブロッカー〈ファモチジンなど〉)、胃の働きを助ける薬(アコチアミド、モサプリドクエン酸)、漢方薬(六君子湯など)を使用します。抗うつ薬や抗不安薬(スルピリドなど)が効果的な場合もあります。また、ピロリ菌感染が確認された場合には、除菌治療を行います。

生活習慣・食習慣の改善

生活習慣・食習慣の改善規則正しい生活を心がけることで、自律神経のバランスを整えます。胃腸の働きを助けるために、水分を十分に摂り、小分けにしてゆっくり食べることを意識しましょう。また、胃に優しい食べ方(よく噛む、食べ過ぎない、食後すぐに運動しない)も効果的です。

予防方法

機能性ディスペプシアの予防には、生活習慣と食習慣の改善が有効です。さらに、ストレスを完全に排除するのではなく、上手に付き合っていくことも重要です。

生活習慣の改善

機能性ディスペプシアの原因の一つには自律神経の乱れが考えられます。バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけ、生活リズムを整え、自律神経の働きを正常に保ちましょう。また、喫煙習慣がある方は、できるだけ禁煙するように努めましょう。

食習慣の改善

よく噛んで食べる、食べ過ぎない、食後すぐに運動しないなど、胃に優しい食べ方を心がけましょう。これはすぐに実践できることです。バランスの良い食事を摂ることも重要です。過度な節制はかえってストレスになるため、無理のない範囲で徐々に改善していきましょう。

ストレスと“うまく付き合っていく”

ストレスは誰にでも生じるものです。ストレスを上手に解消する方法を見つけることが大切です。以下の方法でストレスと付き合いましょう。

朝は決まった時間に起きましょう

毎朝同じ時間に起きることで、体のリズムが整い、仕事や勉強、家事の効率が上がります。これにより、ミスやトラブルが減り、ストレスの軽減につながります。

適度な運動をしましょう

ウォーキング、ジョギング、水泳など、軽い運動を習慣にすることで、ストレス解消に役立ちます。無理のない範囲で運動を楽しむことが大切です。

趣味の時間・リラックスできる時間を確保しましょう

音楽鑑賞、映画鑑賞、生き物の飼育、スポーツ、読書、ヨガなど、自分の好きなことに時間を割きましょう。また、リラックスできる時間を持つことで、自律神経のバランスが整い、質の良い睡眠を促します。

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